障害者雇用促進法制度の変遷
     2019.3.3/2020.3.30/2024.5.31






障害者雇用促進法は1960(昭和35)年に制定されました。
当初は、雇用の対象を身体障害者に限定するもので、法律名も「身体障害者雇用促進法」でした。





(1)1960(昭和35)年 「身体障害者雇用促進法」の制定

《法制定の背景》
・傷痍軍人の職業更生を図る施策
・1995(昭和30)年のILO(国際労働機関)の99号勧告(障害者の職業更生に関する勧告)による国際的動向
・昭和30年代に始まる高度経済成長による人手不足

《法の特徴》

①事業主の良識に期待したもので、雇用を「努力目標」とした
 民間事業所に従業員の1.3%の身体障害者の雇用を要請したもので、雇用を義務づけたものではなく、努力目標としたため実質的効果には問題はあったが、身体障害者の雇用を促進させるという画期的効果はあった。主に小企業における雇用を進展させた。
②雇用の対象を身体障害者に限定
 身体障害者以外の障害者は法の対象外であった。(実際的な雇用の対象は軽度の身体障害者)


(2)1976(昭和51)年 法律の抜本的改正・施行

《法改正の背景》
・1970(昭和45)年の「心身障害者対策基本法」の成立による障害者の総合的施策の推進。
・高度経済成長から1973(昭和48)年のオイルショックを契機に経済低成長時代へと移行し、身体障害者の雇用困難が生じたための打開策。

《改正内容の特徴》
①身体障害者の雇用を義務づけた(努力目標から義務雇用へ)
②法定雇用率の強化 (民間企業 1.5%  国・自治体 1.9%  特殊法人 1.8%)
③納付金制度の制定
 法定雇用率の未達成企業から納付金を国が徴収。納付金は法定雇用率の達成企業と未達成企業の雇用に関する経済的負担のアンバランスを調整し、障害者雇用に積極的に取り組む企業への各種助成金(調整金等)に充てられるもので、雇用水準を高めるためのもの(したがって罰金とは趣旨は異なる)。
④身体障害者だけでは法定雇用率に満たない場合、義務雇用の対象ではない知的障害者を雇用することで雇用率を補うことができる「納付金の減額」制度が設けられたが、知的障害だけの雇用では調整金等は支給されない。


(3)1987(昭和62)年 法律の改正
   
法律名を「障害者の雇用の促進等に関する法律」に改称

《改正内容の特徴》
①法の対象となる障害者の範囲を拡大(法の名称を「身体障害者」から 「障害者」へ)
 但し、身体障害者手帳を持たない難病患者等は法の対象外。精神障害者は雇用促進に関する研究と啓発の対象としてとらえている。(精神障害は医療及び保護の対象と考えられていた)
②知的障害者雇用対策の充実強化
 知的障害者は義務雇用の対象ではないが、雇用された場合は、法定雇用率への参入、納付金制度の適用等は身体障害者と同等の扱いとなった。
③雇用の促進のみでなく、就労に関する援助も目的
・職業リハビリテーションの推進(「障害者職業カウンセラー」の制度を導入)
・雇用の継続、安定のための助成・指導等(障害者雇用継続助成金制度の創設)
④法定雇用率のアップ
 <民間企業>
  ・一般企業(常用労働者63人以上の企業)1.5% ⇒ 1.6%
  ・特殊法人(公団・事業団等の公共の利益や国の政策遂行のために、特別法により設置された法人。常用労働者53人以上の法人)
   1.8%⇒ 1.9%
 <国・地方公共団体>
  ・非現業機関(各省庁、都道府県や市町村の職員数50人以上の行政機関)2.0%
  ・現業機関(造幣局、印刷局、林野庁及び地方公営企業法でいう機関等で、職員53人以上の機関)1.9%
※雇用率に知的障害者を含め、特例として重度身体障害者は1人を2人分として算入(ダブルカウント)できる。
※事業主は毎年1回、障害者雇用状況を公共職業安定所(ハローワーク)に報告することとされており、公共職業安定所長は法定雇用率を満たしていない事業主に対して、雇い入れに関する計画の作成を命ずることができ、指導によっても改善が期待できない場合は企業名を公表できる。


(4)1992(平成4)年7月の法律改正
   
知的障害者の雇用対策の拡充

《改正点》
 平成4年に批准したILO第159号条約(障害者のリハビリテーション及び雇用に関する条約)を踏まえ、すべての障害者を対象として施策の推進に努める。
①重度知的障害者を雇用した場合には、重度身体障害者と同様にその1人をもって2人として法定雇用率へカウントできる。(平成5年4月から適用)
②重度知的障害である短時間労働者(20時間以上30時間未満)を雇用した場合には、重度身体障害者である短時間労働者と同様に1人をもって1人として法定雇用率へカウントできる。(平成5年4月から適用)
③1992(平成4)年7月から、身体障害者雇用納付金制度に基づく助成金制度について知的障害者の雇用継続を図るための助成金を加えた。
※この法改正において、「労働大臣は、障害者の雇用の促進及びその職業の安定に関する施策の基本となるべき『障害者雇用対策基本方針』を策定するものとする」とされ、基本方針は、1993(平成5)年4月1日に公布された。
 この基本方針おいて、知的障害者については、事業主の雇用管理に関して特に配慮が望まれる事項として、「職務の内容をわかりやすくし、施設・設備の改善、実際の作業に通じた教育訓練を行うほか日常的に健康状態を確認し、さらに重度の者については、生活面にも配慮した業務遂行の援助ができるものを配置する」こと、障害者の雇用促進及びその職業の安定を図るための施策の基本事項として、「職域開発、職業能力開発の推進、人的援助体制の整備等雇用の促進等を図るための条件整備を推進する」ことが述べられている。


(5)1994(平成6)年6月の改正(同年10月1日施行)

《改正点》
 障害者の実雇用率は法定雇用率を下回っており、重度身体障害者、知的障害者、精神障害回復者等の雇用に立ち遅れがみられるため、平成5年12月に障害者雇用審議会から提出された意見書「障害者雇用対策の今後の方向について」の趣旨を踏まえて、法律の一部を改正。重度障害者を中心とした施策の充実を図る。
①きめ細かな職業リハビリテーションの実施体制の整備(障害者雇用支援センターの指定)
②通勤問題や住宅・福祉施設など障害者を取り巻く職業生活環境の整備促進のための助成措置を拡充。


(6)1997(平成9)年4月の改正

《改正点》
①雇用制度の拡充⇒ 知的障害者の雇用を義務化
・法定雇用率の設定は知的障害者を含めたものとした。(平成10年7月から施行)
・特例子会社の認定要件の緩和(平成9年10月から施行)
 実雇用率の算定に当たって、子会社が雇用する身体障害者又は知的障害者を含む労働者を親事業主の雇用する労働者とみなす場合の当該子会社の認定要件について、「親会社と営業上の関係が緊密であること」という要件を廃止。
②障害者雇用支援センターの指定要件の緩和
・指定できる法人の範囲の拡大(平成10年4月から)
 市町村レベルで授産施設等における福祉就労等を一般雇用に結びつけていくための相談・援助を一貫して行う障害者雇用支援センターについて、その設置主体に社会福祉法人を加える等、その指定要件を緩和。
③精神障害者に対する雇用対策の充実
・精神障害者については、短時間労働者も助成金の対象とした。(平成10年4月から施行)
④その他
・助成金の整理(平成10年7月から)
・調整金、報奨金の支給基準の変更等所要の整備を行う


〈参考文献〉
 日本知的障害者福祉連盟編「知的障害問題白書 1994年版」
 総理府編「障害者白書 平成7年版」
 愛護/第44巻第5号(平成9年)







平成28年4月1日
障害者の雇用の促進等に関する法律の改正法が施行されました



 《改正内容》
 
1 障害者の権利に関する条約の批准に向けた対応
 2 法定雇用率の算定基礎の見直し
 3 障害者の範囲の明確化その他の所要の措置を講ずる


《公布日:平成25年6月19日》  
 施行期日:平成28年4月1日(ただし、法定雇用率の算定基礎の見直しは平成30年4月1日、障害者の範囲の明確化は公布日)
厚生労働省:障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律の概要(PDF)

《改正法の概要》
 雇用の分野における障害者に対する差別の禁止及び障害者が職場で働くに当たっての支障を改善する ための措置(合理的配慮の提供義務)を定めるとともに、障害者の雇用に関する状況に鑑み、精神障害者 を法定雇用率の算定基礎に加える等の措置を講ずる。

1.障害者の権利に関する条約の批准に向けた対応
(1)障害者に対する差別の禁止
 雇用の分野における障害を理由とする差別的取扱いを禁止する。
(2)合理的配慮の提供義務
 事業主に、障害者が職場で働くに当たっての支障を改善するための措置を講ずることを義務付ける。 ただし、当該措置が事業主に対して過重な負担を及ぼすこととなる場合を除く。
 (想定される例)
 ・ 車いすを利用する方に合わせて、机や作業台の高さを調整すること
 ・ 知的障害を持つ方に合わせて、口頭だけでなく分かりやすい文書・絵図を用いて説明すること
→(1)(2)については、公労使障の四者で構成される労働政策審議会の意見を聴いて定める「指針」において 具体的な事例を示す。
(3)苦情処理・紛争解決援助
 ① 事業主に対して、(1)(2)に係るその雇用する障害者からの苦情を自主的に解決することを努力義務化。
 ② (1)(2)に係る紛争について、個別労働関係紛争の解決の促進に関する法律の特例(紛争調整委員会による調停 や都道府県労働局長による勧告等)を整備。

2.法定雇用率の算定基礎の見直し
  法定雇用率の算定基礎に精神障害者を加える。ただし、施行(H30)後5年間に限り、精神障害者を法定雇用率の算定基礎に加えることに伴う法定雇用率の引上げ分について、本来の計算式で算定した率よりも低くすることを可能とする。

3.その他
  障害者の範囲の明確化その他の所要の措置を講ずる。

施行期日
 平成28年4月1日(ただし、2は平成30年4月1日、 3(障害者の範囲の明確化に限る。)は公布日(平成25年6月19日))


① 障害者に対する差別の禁止及び合理的配慮の提供義務について
◎ 障害者に対する差別禁止※1、合理的配慮の提供義務※2 を規定 【施行期日 平成28年4月1日】 。
 ※1 不当な差別的取り扱いを禁止。このため、職業能力等を適正に評価した結果といった合理的な理由による異なる取扱いが禁止されるもの
   ではない。
 ※2 事業主に対して過重な負担を及ぼすときは提供義務を負わない。
◎ 必要があると認めるときは、厚生労働大臣から事業主に対し、助言、指導又は勧告を実施。
今後、労働政策審議会障害者雇用分科会の意見を聴いて、具体的な内容は指針を策定。 なお、禁止される差別や合理的配慮の内容として、以下のものなどが想定される。

【差別の主な具体例】
募集・採用の機会
○ 身体障害、知的障害、精神障害、車いすの利用、人工呼吸器の使用などを理由として採用を 拒否すること など
賃金の決定、教育訓練の 実施、福利厚生施設の利用など、障害者であることを理由として、以下のような不当な差別的取扱いを行うこと
○ 賃金を引き下げること、低い賃金を設定すること、昇給をさせないこと
○ 研修、現場実習をうけさせないこと
○ 食堂や休憩室の利用を認めない など
【合理的配慮の主な具体例】
募集・採用の配慮
○ 問題用紙を点訳・音訳すること・試験などで拡大読書器を利用できるようにすること・試験の回答 時間を延長すること・回答方法を工夫すること など
施設の整備、援助を行う 者の配置など
○ 車いすを利用する方に合わせて、机や作業台の高さを調整すること
○ 文字だけでなく口頭での説明を行うこと・口頭だけでなくわかりやすい文書・絵図を用いて説明 すること・筆談ができるようにすること
○ 手話通訳者・要約筆記者を配置・派遣すること、雇用主との間で調整する相談員を置くこと
○ 通勤時のラッシュを避けるため勤務時間を変更すること など

② 苦情処理・紛争解決援助について
◎ 事業主は、障害者に対する差別や合理的配慮の提供に係る事項について、障害者である労働者から苦情の申出を受けたときは、その自主的な解決を図るよう努める。
◎ 当該事項に係る紛争は、個別労働紛争解決促進法の特例を設け、都道府県労働局長が 必要な助言、指導又は勧告をすることができるものとするとともに、新たに創設する調停制度 の対象とする。
* 必要があると認めるときは、当事者又は障害者の医療等に 関する専門的知識を有する者などの意見を聴くことが可能

③ 法定雇用率の算定基礎の見直しについて
◎ 法定雇用率の算定基礎の対象に、新たに精神障害者を追加 【施行期日 平成30年4月1日】。
◎ 法定雇用率は原則5年ごとに見直し。
⇒ 施行後5年間(平成30年4月1日~平成35年3月31日まで)は猶予期間とし、精神障害者の 追加に係る法定雇用率の引き上げ分は、計算式どおりに引き上げないことも可能。
※ 具体的な引上げ幅は、障害者の雇用状況や行政の支援状況等を踏まえ、労働政策審議会障害者雇用分科会で議論。
【法定雇用率の算定式】
身体障害者、知的障害者及び精神障害者である常用労働者の数 失業している身体障害者、知的障害者及び精神障害者の数常用労働者数 除外率相当労働者数 失業者数 法定雇用率
【激変緩和措置の内容】
○ 平成25年4月1日~平成30年3月31日 身体障害者・知的障害者を算定基礎として計算した率(2.0%)
○ 平成30年4月1日~平成35年3月31日 身体障害者・知的障害者を算定基礎として計算した率と 身体障害者・知的障害者・精神障害者を算定基礎として計算した率との間で政令で定める率
○ 平成35年4月1日以降 身体障害者・知的障害者・精神障害者を算定基礎として計算した率


法定雇用率の推移

   1976年10月  1988年4月  1998年7月   2013年4月   2018年4月  2021年4月までに
国・地方自治体 1.9% ⇒  2.0% ⇒  2.1% ⇒  2.3% ⇒  2.5% ⇒  2.6% 
 民 間 企 業 1.5% ⇒  1.6% ⇒  1.8% ⇒  2.0% ⇒  2.2% ⇒  2.3 %



《参 考》  

厚生労働省:障害者雇用対策関係報道発表資料
  
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/koyou_roudou/koyou/shougaishakoyou/houdou/index.html

厚生労働省:障害者雇用関係資料(平成28年8月)
  
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12602000-Seisakutoukatsukan-Sanjikanshitsu_Roudouseisakutantou/0000132445.pdf  



 法定雇用率の対象となる障害者の範囲の変遷 (厚生労働省:障害者雇用関係資料 平成28年8月)

  1976(昭和51)年、身体障害者を対象とする雇用率制度を創設。平成10年には、知的障害者を法定雇用率の算定基礎の対象に追加。平成30年4月から、精神障害者を法定雇用率の算定基礎の対象に追加(※)。
 ※施行後5年間は激変緩和措置として労働者(失業者を含む。)の総数に対する身体障害者・知的障害者・精神障害者である労働者(失業者を含む。)の総数の割合に基づき、障害者の雇用の状況その他の事情を勘案して定める率とする。

  ①1976(昭和51)年10月
   法定雇用率の算定基礎の対象は「身体障害者」のみ

  ②1988(昭和63)年 4月
  知的障害者を雇用した場合は、身体障害者を雇用したとみなす(知的障害者を実雇用率に追加)

  ③1998(平成10)年 7月
  法定雇用率の算定基礎の対象に知的障害者を加え、「身体障害者」と「知的障害者」を対象に

  ④2006(平成18)年 4月
  精神障害者を雇用した場合は、身体障害者又は知的障害者を雇用したとみなす(精神障害者を実雇用率に追加)

  ⑤2018(平成30)年 4月
  法定雇用率の算定基礎の対象に精神障害者を加え、「身体障害者」「知的障害者」「精神障害者」を対象に


 
民間企業の障害者雇用の状況 平成27年6月1日現在 (厚生労働省:障害者雇用関係資料 平成28年8月)

  ○雇用者数 45.3万人 (身体障害者 32.1万人   知的障害者 9.8万人   精神障害者 3.5万人)
     実雇用数 1.88%   法定雇用率達成企業割合 47.1% 

  ○雇用者数は12年連続で過去最高を更新。障害者雇用は着実に進展。


 法定雇用率・納付金額・調整金額等の推移 (厚生労働省:障害者雇用関係資料 平成28年8月) 

 施 行 年 法定雇用率  納付金額  調整金額 報奨金額 
1976(昭和51)年  1.5%  3万円  1.4万円  0.8万円
1982(昭和57)年    4万円 2万円   1万円
1988(昭和63)年  1.6%      
1992(平成 4)年      2.5万円  1.7万円
1998(平成10)年   1.8%      
2003(平成15)年         2.7万円  2.1万円
2008(平成20)年     
2013(平成25)年  2.0%
現 行  2.0%  5万円  2.7万円  2.1万円




 障害者雇用関係助成金 ハローワークにおいて支給 (厚生労働省:障害者雇用関係資料 平成28年8月)

特定求職者雇用開発助成金
 ハローワーク等の紹介により障害者を雇用する事業主に、1人当たり50万円(中小企業の場合は120万円)等を支給。
障害者トライアル雇用奨励金
 ハローワーク等の紹介により障害者に対し、原則3か月の試行雇用を行う事業主に対し助成。障害者1人につき、月4万円の奨励金を支給。(精神障害者を初めて雇用する事業主に対しては8万円。)
障害者短時間トライアル雇用奨励金
 精神障害者について、雇い入れ時の所定労働時間を10時間以上20時間未満とし、3か月以上12か月以内の一定の期間をかけながら常用雇用への移行を目指して試行雇用を行う事業主に対し助成。精神障害者等1人につき、月2万円の奨励金を支給。
障害者社会雇用奨励金(ファースト・ステップ奨励金)
 障害者雇用の経験がない中小企業で、初めての雇入れにより法定雇用障害者数以上の障害者を雇用した場合、120万円を支給。
中小企業障害者多数雇用施設設置等助成金
 障害者の雇入れに係る計画を作成し、当該計画に基づき障害者を10名以上雇用するとともに、障害者の雇入れに必要な事業所の施設・設備をする中小企業である事業主に対し助成。雇入れ者数と施設・設備等の設置・整備に要した費用に応じて支給額を決定(上限3000万円)。
発達障害・難治性疾患患者雇用開発助成金
 発達障害者又は難治性疾患患者をハローワーク等の紹介により雇入れ、雇用管理に関する事項を把握・報告する事業主に対して50万円(中小企業の場合は120万円)を支給。
障害者職場定着支援奨励金
 ハローワーク等の紹介により障害者を雇入れ、業務の遂行に必要な援助や指導を行う職場支援員を、雇用又は業務委託により配置する事業主に対して月額3万円(中小企業の場合は4万円)、委嘱により配置する事業主に対して1回当たり1万円を支給。
訪問型職場適応援助促進助成金
 企業に雇用され、職場適応・定着に特に課題を抱える障害者について、支援計画に基づき訪問型職場適応援助者による専門的な支援を提供する事業主に対して、支援実施1日当たり16,000円(4時間未満の日8,000円)及び企業在職型職場適応援助者養成研修受講料の1/2を支給。
企業在籍型職場適応援助促進助成金
 自社において雇用し、職場適応・定着に特に課題を抱える障害者について、企業在職型職場適応援助者を配置して支援計画に基づく専門的な支援を実施させる事業主に対して、月額6万円(中小企業の場合は8万円)及び企業在職型職場適応援助者養成研修受講料の1/2を支給。
障害者職場復帰支援助成金
 雇用する労働者が事故や難病等の発症などによる中途障害者等により長期の休職を余儀なくされ、かつ、復帰にあたり雇用の継続のために職場適応の措置が必要な場合に、必要な措置を講じて雇用の継続を図った事業主に対して50万円(中小企業の場合は70万円)を支給。


 障害者納付金制度に基づく助成金 (厚生労働省:障害者雇用関係資料 平成28年8月)

  障害者が作業を容易に行えるような施設の設置・整備を行った場合の助成措置
 ○ 障害者作業施設設置等助成金 ※
 障害者が作業を容易に行うことができるよう配慮された作業施設等の設置・整備・賃借を行う事 業主に支給(障害者1人につき上限450万円 (作業施設の設置)等)
○ 障害者福祉施設設置等助成金 ※
 障害者である労働者の福祉の増進を図るため、障害者が利用できるよう配慮された保健施設、 給食施設等の福利厚生施設の整備を行う事業主に支給(障害者1人につき上限225万円)
  障害者を介助する者等を配置した場合の助成措置
 ○ 障害者介助等助成金
  適切な雇用管理のために必要な介助者等の配置・委嘱を行う事業主に支給(例:手話通訳担 当者を委嘱した場合には委嘱1回当たりの費用の3/4)
  通勤の配慮を行った場合の助成措置
 ○ 重度障害者等通勤対策助成金 ※
 障害者の通勤を容易にするための措置を行う事業主等に支給(駐車場の賃借1人につき月上 限5万円等)

                                         ※ 企画競争方式で認められた場合に支給






令和3年3月1日から
障害者の法定雇用率が引き上げになります
厚生労働省・都道府県労働局・ハローワーク:令和3年3月1日から 障害者の法定雇用率が引き上げになります。


 留意点

<事業主区分>令和3年3月1日以降の法定雇用率の引き上げ
  民間企業 2.2% ⇒ 2.3%
  国、地方公共団体等 2.5% ⇒ 2.6%
  都道府県等の教育委員会 2.4% ⇒ 2.5%

<対象となる事業主の範囲> 従業員43.5人以上に広がります
 今回の法定雇用率の変更に伴い、障害者を雇用しなければならない民間企業の事業主の範囲が、 従業員45.5人以上から43.5人以上に変わります。
 事業主には、以下の義務があります。
◆ 毎年6月1日時点の障害者雇用状況をハローワークに報告しなければなりません。
◆ 障害者の雇用の促進と継続を図るための「障害者雇用推進者」を選任するよう努めなければ なりません。


<参考>
◇令和5年 障害者雇用状況の集計結果
 PDF 



《障害者の就労・雇用に関する動向》

厚生労働省:令和6年以降 障害者の法定雇用率引き上げと支援策の強化について

厚生労働省:障害者の就労支援対策の状況









日本の障害児(者)の教育や福祉をめぐる問題、課題を考察し、今後を展望
日本の教育制度と障害児(者)の福祉
田研出版 3190円 A5判 316頁

第1章 日本の障害児教育の始まりと福祉
義務教育の制度と障害児/学校教育と福祉施設/精神薄弱者福祉法(現:知的障害者福祉法)の制定/教育を受ける権利の保障
第2章 戦後の復興から社会福祉基礎構造改革へ
社会福祉法人制度と措置委託制度/社会の変化と社会福祉基礎構造改革/「措置」から「契約」への制度転換と問題点
/社会福祉法人制度改革の意義と課

第3章 障害者自立支援法から障害者総合支援法へ
障害者自立支援法のねらい/障害者自立支援法をめぐる問題/自立支援法から総合支援法へ/障害者総合支援法施行3年後の見直し
第4章 教育の意義と福祉の意義
人間的成長発達の特質と教育・福祉/人間的進化と発達の個人差/教育と福祉の関係/「福祉」の意味と人権
第5章 展望所感
 障害(者)観と用語の問題/新たな障害(者)観と国際生活機能分類の意義/障害児教育の義務制の意義と課題
/障害者支援をめぐる問題





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