教育とは何か/福祉とは何か 
教育の意義と福祉の意義
“教育も福祉も文化国家のバロメーター” 



作成 2011.4.23
更新 2013.4.2/2014.1.30/2015.4.25/2016.8.20/2017.7.30/2018.5.27/2020.3.30/2021.2.3/2023.12.8/2025.7.6/2026.5.29


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 「教育」とは進学のための勉強や学校へ行くことであり、「福祉」とは高齢者や障害者を対象とする特別なことのように思われているようです。さらに教育と福祉はちがう領域のようにも思われているようです。
 しかし教育も福祉も、それは人が人らしくよりよく生きていくためのものです。それは切り離せない一体のものだと思います。
 人々にとって「福祉」とは目標で、「教育」とはそこに到達する手段であると考えるとよいと思います。





教育の意義と福祉の意義

 教育的取り組みも、福祉的取り組みも、その具体的な事柄は時代や生活様式、文化レベルなどによって変化しますが、そうした変化が人を変え、人がまたその福祉や教育を変えていくともいえます。
 しかし教育的取り組みであるにしろ福祉的取り組みであるにしろ、それは人の生き方や生きがいの実現に関係するものであるという点では変わるものではないと思います。

 人間は、単に習性的にその一生を終える動物とは違います。人の生き方とか生きがいというものは、生まれながらに身についているものというよりも、それは人として生まれてからの、その後の生きる過程で培われるものといえます。そこに教育的意義があり、福祉的意義があるはずです。

 人が人としてよりよく生きるという意味の教育であり、福祉であると考えれば、教育的意義も福祉的意義も別々のものではなく、またそれは特定の人だけを対象にするものでもありません。福祉の事業も教育の事業も人の暮らしぶりにかかわるということでは同じであると思います。

 教育と福祉が別々のものではないということを考える一例として、幼稚園と保育所の一体化問題があります。

 幼稚園と保育所の一体化問題はこれまでも議論されてきたことですが、保育と幼児教育は就学前の人間的成長発達にかかわる一番大切な基礎の部分であり、本来的には一体的なものでなければならないわけで、所管が分かれていること自体に問題があると考えたほうが自然ではないでしょうか。

 したがって幼稚園と保育所の一体化問題は、現在のように所管が分かれている限り、その所管同士がよほど連携を密に取り組む仕組みにしない限りうまくいかないであろうと思います。
 保育所であるにしろ幼稚園であるにしろ、その取り組む目標は、次代を担う子どもの健やかな成長発達を願うという点では同じはずです。


 
保育・幼児教育の意義と重要性《現状の問題について》


 ⇒ 子ども家庭庁 : 認定こども園概要

 
⇒ 厚生労働省:子ども・子育て支援新制度について

≪参考≫
 
⇒ 文部科学省:児童福祉法等の改正による教育と福祉の連携の一層の推進について 事務連絡 平成24年4月18日

 文部科学省:教育と福祉の連携について 令和2年8月31日
     新しい時代の特別支援教育の在り方 に関する有識者会議(第9回)

 ⇒こども家庭庁:教育と福祉の連携等の推進について


地域における教育と福祉の一層の連携等の推進について(通知)




<「子育て支援金」徴収開始 朝日新聞 2026(令和8)年5月24日>


 知らない人も?「子育て支援金」徴収開始  朝日新聞 2026(令和8)年5月24日
 
医療保険料と合わせてお金を徴収する「子ども・子育て支援金」制度が始まり、多くの会社員や公務員らは5月の給与から天引きされます。ですが、「ほとんどの国民が知らない間にいきなり始まる」(埼玉県の50代の会社員女性)との戸惑いの声が寄せられました。そこで、改めて制度のしくみや狙いについて解説します。

 いくら徴収?確認するには
 
給与明細 単独表示せぬ社も
 いくら徴収されるのか。こども家庭庁が2025年末に試算したところ、26年度は、会社員や公務員などが加入する「被用者保険」(健保組合、協会けんぽ、共済組合)の全体では、被保険者1人当たりの平均月額が約500円。自営業者らが入る市町村の国民健康保険(国保)は1世帯あたり約300円、主に75歳以上が対象の後期高齢者医療制度は被保険者1人あ約200円となった。
 被用者保険の場合、医療保険で使われる、給与額を基に等級に分けた「標準報酬月額」に支援金率0.23%を掛けた金額となる。このうち半分は企業側が負担する。賞与からも引かれる。

 同じ会社に勤めていても人によって給与の支給額などが異なるため、支援金の負担額も違ってくる。こども家庭庁は毎月の給与明細に独立した欄を設けて金額を明示するよう、企業などに協力を呼びかけている。たた強制的なものではなく、明細に余分なスペースがないなどの事情がある企業は、健康保険料の欄に合算額を表示し、明細では支援金額がいくらなのかが分からないケースもあるとみられる。
 国保や後期高齢者医療制度の加入者は、世帯や個人の所得などに応じて金額が決まる。これらでは6、7月ごろに支援金の金額が分かる納入通知書が送られてくる見通しだ。
 徴収額は3年かけて徐々に引き上げられる。26年度の国全体の総額は約6千億円だが、27年度は約8千億円、28年度は約1兆円と増えていく。

 「実質負担ゼロ」って?
 
軽減策で相殺・・・自然増は別
 支援金は、当時の岸田文雄政権が「少子化傾向を反転させるラストチャンス」として打ち出した「異次元の少子化対策」に使われる。児童手当の所得制限撤廃や0~2歳児が利用できる「こども誰でも通園制度」、両親が育休を取得した際の手取りの10割相当の支給など、子育て支援を拡充した。
 ただ、支援金は子どもがいない人や子育てを終えた人などからも幅広く徴収するため、「独身税」との批判が根強い。独身の人にはメリットがないのでは、という不満からだ。こども家庭庁は、「現役世代が将来高齢者となった時に社会を支える若い世代を育むという、支え合いの循環を維持するもの。全ての人にメリットがある」と理解を求めている。その上で強調されるのが、「実質負担ゼロ」という説明だ。

 国は社会保障の歳出改革などに努めることにしており、その軽減された負担の範囲内でのみ、支援金を徴収すると定められている。つまり、支援金が新たに徴収されるものの、社会保険料の負担を軽減させて「相殺」する仕組みになっている、と説明する。これだけだと、追加的な負担ゼロと言ってもよさそうに聞こえるが、「実質」がくっついている。どういうことなのか。
 高齢化が進行し、医療費や介護費などの社会保険給付は年々増加を続けており、いわゆる自然増となっている。このため社会保険料には「上昇圧力」がかかる。こども家庭庁は、保護者にもよるが、実際の社会保険料が上がることまでは否定していない。「少なくとも、支援金分は相殺されている。支援金導入に伴う実質的な負担は生じない」というのが「実質負担ゼロ」の趣旨だという。

 これまでの歳出改革などによる負担軽減効果は6千億円だったとし、26年度の支援金の総額と同等だとしている。ただ、27年度、28年は支援金が引き上げられるため、より一層の歳出改革の取り組みが求められている。

(高絢実)


内閣官房 [PDF]
 
「こども未来戦略方針」 ~ 次元の異なる少子化対策の実現のための 「こども未来戦略」の策定に向けて ~ 令和5年6月13日




 権利としての教育・福祉


 人は生まれてからしばらくの時期は、自らはほとんど何もできない未熟な状態です。それが環境からの刺激や周囲の人々からの働きかけにより、やがて人としての生活の知恵や生活行動(態度)を身につけていきます。

 そこに人間的発達の特質があり、教育の意義があり、日本国憲法第26条の「教育を受ける権利」「教育を受けさせる義務」の根拠があると思います。

 人間の成長・発達期においては、 いつごろから、どんな学習体験をもたせるのが効果的かということに配慮した教育的働きかけと、そのための適切な環境を用意するという意味での福祉的対応が大切です。そこに教育と福祉の連携の意味と重要性があるわけです。

 福祉の事業は、人間が幸福な状態でいられるような条件(よく生きられるような条件)を整えることです。
 教育の事業は、人間が幸福な生き方や生きがいを見出す力(よく生きられるような力)を育む努力です。
 人々にとって「福祉」とは目標で、「教育」とはそこに到達する手段であると考えるとよいと思います。



 ノーマライゼーションと教育・福祉

 ノーマライゼーションとは、デンマークの知的障害の子どもをもつ親の会の活動理念として1953年に、はじめて提唱されました。その理念のそもそもの趣旨は、入所施設の非人間的な処遇状況の改善を意味するものでした。
 親の会の活動の趣旨がデンマークの1959年の法律となり、その中で、「可能な限りノーマルな生活に近づける」という意味のことがノーマライゼーション normalization という用語で示されたのです。

 その後、ノーマライゼーションの理念は障害者福祉の基本的な考え方として北欧諸国に広まり、それがアメリカに導入され、いわゆる「脱施設」の運動や政策へと変容し、現在に至っています。

 教育の分野では、障害のある子もない子も「共に学ぶ」という考え方が広がっています。 それは障害のある子どもとない子どもを単に一緒にすることではないのですが、そこに考え方の混乱が生じているようです。

 障害があっても、障害のない子どもと同等に教育を受けることができるよう適切な環境条件を整えるというのがノーマライゼーションの理念です。それは障害のことを理解し、その障害があるがための特別なニーズに可能な限り応えることを「普通」に行うことを意味するのであって、単に教育の内容や方法、教育の場をすべて一緒にすればよいという意味ではないはずです。

 福祉の分野では、日本の障害者施策は施設中心に進められてきました。ノーマライゼーション理念の広がりに伴い、福祉先進国といわれる国々が、施設の縮小や解体へと向かうころの日本はむしろそれとは逆に、施設の整備に向けた施策が勢いを増す時期でした。しかし、それは日本の実情に応えるものでした。

 今、日本も「脱施設」への方向が示されていますが、いわゆる「施設」の意義を考えた場合、それは全面的に否定されるようなものではなく、施設も重要な社会資源として考えられてよいわけです。

 現在の教育や福祉をめぐる問題、課題を考えるには、もう一度、原点に立ち返って考えてみることが大切だと思います。




誰のため、何のための教育か!  福祉とは何か!



  日本の障害児(者)の教育・福祉
 

  教育と体罰について 

  教育・福祉の人材育成確保の重要性

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日本の障害児(者)の教育や福祉をめぐる問題、課題を考察し、今後を展望
田研出版  税込価格 3190円  A5判 316頁


第1章 日本の障害児教育の始まりと福祉
義務教育の制度と障害児/学校教育と福祉施設/精神薄弱者福祉法(現:知的障害者福祉法)の制定/教育を受ける権利の保障
第2章 戦後の復興から社会福祉基礎構造改革へ
社会福祉法人制度と措置委託制度/社会の変化と社会福祉基礎構造改革/「措置」から「契約」への制度転換と問題点
/社会福祉法人制度改革の意義と課題

第3章 障害者自立支援法から障害者総合支援法へ
障害者自立支援法のねらい/障害者自立支援法をめぐる問題/自立支援法から総合支援法へ/障害者総合支援法施行3年後の見直し 
第4章 教育の意義と福祉の意義
人間的成長発達の特質と教育・福祉/人間的進化と発達の個人差/教育と福祉の関係/「福祉」の意味と人権
第5章 展望所感
 障害(者)観と用語の問題/新たな障害(者)観と国際生活機能分類の意義/障害児教育の義務制の意義と課題/障害者支援をめぐる問題




















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